学科間相互乗り入れ授業による口腔介護教育
平成18年度「特色ある大学教育支援プログラム」 の採択について
2006年8月に、本学は平成18年度「特色ある大学教育支援プログラム」に採択されました。
この教育プログラムは、全国の大学、短期大学で実績をあげている教育方法や教育課程の工夫改善など学生教育の質の向上への取組を更に発展させる取組の中から、文部科学省が特色ある優れたものを選び、サポートしていく教育事業であり、選ばれた取組を社会に広く情報提供し、高等教育全体の活性化を促していくものです。本学の教育と取組が評価され、同プログラムに採択されました。
1. 採択された教育テーマ
学科間相互乗り入れ授業による口腔介護教育
2. 取組期間
平成18年度~20年度
3. 取組の趣旨
【口の健康からQOL の向上へ】
高齢者にとって「食べること」は大きな生きがいのひとつです。これは要介護者にとっても同じで、食べる機能を維持し、回復していくことは生活の質(QOL)を高く保つためには欠かせません。口の健康を保ち、食べる機能を維持、回復していくためには、歯科医師、歯科衛生士だけでなく、介護に関わる様々な関係者の連携と協力が必要となりますが、現状では十分な対応がなされているとはいえません。
このため、本学では歯科衛生士ならびに介護福祉士を養成する学科を併設している特性を活かして、「要介護者の口腔ケア(口腔介護)」を実践できる歯科衛生士、介護福祉士の育成を目的に、平成12年度より両学科の相互乗り入れ授業を始めました。本学はこの取り組みを通じて、要介護者の方が、関係者の連携のもとに、食べる機能に関する効果的な予防・ケア・リハビリが受けられる福祉社会づくりを目指しています。
4.取組の内容
1.両学科の口腔介護臨地実習の充実:
臨地実習において、施設入所者の方への口腔ケアに使用する歯ブラシ等の口腔ケア消耗品を不足なく供給したことにより、学生の口腔介護の実践に対する意欲やモチベーションが向上しました。また、口腔介護臨地実習の指導補助者として、口腔介護経験のある歯科衛生士2名(1 名は非常勤)を雇用したことにより、施設入所者への口腔ケアの実地指導がより実践的になりました。
2.口腔介護データを共有するデータベースシステムの作成:
平成18 年度に作成した口腔介護データベースをもとに、口腔介護実習帳の項目に従ってデータを入力できるように改良しました。また、入力の能率化を図るため、一旦CSV で保存したデータを一括読み込みできるように改変しました。これによって、介護老人保健施設で蓄積されたデータを読み込み、平成20年度の口腔ケアプラン作成実習の参考になるように準備しました。
3.口腔介護(口腔ケア)教育の現状調査:
介護福祉士養成校及び歯科衛生士養成校での口腔介護(口腔ケア)教育の現状を知るための基礎資料として、歯科衛生士養成課程を持つ短期大学の教育内容をアンケートにより調査しました。また、福岡県内の介護福祉士養成校での口腔介護(口腔ケア)教育の現状調査を実施しました。
4.口腔介護研修会「口腔ケア実践教室」の開催:
地域の介護施設や病院に勤務する介護職員、歯科衛生士、看護師等を対象とする研修会を、平成18年度から平成20年度にかけて計6回開催しました。受講者はのべ570 名を数え、その職種は介護福祉士、ホームヘルパー、歯科衛生士、看護師など多職種にわたっています。また、職種を問わず口腔ケアに関心が高いことを再度、確認いたしました。
5.参考資料・データ
- 1. 文部科学省ホームページの教育事業概要の掲載ページ
- 2. 福岡医療短期大学における特色ある大学教育支援事業経過報告(PDF)
- 3. 第1回 口腔ケア実践教室 ―“口腔ケア”から始める介護予防― (PDF)
- 4. 第2回 口腔ケア実践教室 ―摂食嚥下がある方へのアプローチ ~VF検査~― (PDF)
- 5. 第3回 口腔ケア実践教室 ―すぐに役立つ口腔ケア― (PDF)
- 6. 第4回 口腔ケア実践教室 ―明日から役立つ食支援― (PDF)
- 7. 第5回 口腔ケア実践教室 ―介護予防から自立支援への口腔ケアフォーラム― (PDF)
- 8. 第6回 口腔ケア実践教室 ―介護予防から自立支援への口腔ケアフォーラム― (PDF)