福岡医療短期大学 私立大学研究ブランディング事業

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事業内容

事業目的

本学の建学の精神である『歯科衛生学、保健福祉学に関する専門の学術を教授・研究し、教養と良識を備えた有能な歯科衛生士、介護福祉士を養成し、保健福祉に貢献すると共に、歯科衛生学、保健福祉学の進展に寄与する』をふまえ、高等教育機関としての教育研究機能を最大限に活用し、これまでの実績を基に、歯科衛生学、保健福祉学を包含した口腔医学研究を推進します。加えて、ステークホルダーへの情報発信や、協働・評価・協力体制を強化し、社会資源としての地域人材育成により、口腔機能向上からの健康長寿社会の実現を事業目的としています。

1)研究テーマに関連する大学の特性

1)歯科衛生士、歯科医師、介護福祉士、社会福祉士、管理栄養士、看護師から成る多職種の専任教員がいること、
2)健康寿命の延伸に密接に関連する口腔機能、栄養摂取、運動機能および社会参加に関する臨床研究を行ってきたこと、
3)健康寿命の延伸につながる実地教育や地域住民を対象とした複数の取組みを実践してきたこと、
4)学生の主体的学修を促すアクティブ・ラーニング教育を行ってきたこと、
5)キャンパス内の高齢者施設と、隣接する福岡歯科大学(歯科医師養成)と福岡看護大学(看護師養成)の教育資源を活用できることも、特筆すべき本学の特性です。

2)研究の背景

2016年世界保健統計によると、日本人の平均寿命は84歳で日本は世界一の長寿国です。しかし、健康で自立した生活期間を示す健康寿命は約75歳で、9年間は介護が必要な状態であると推測されます。現在、すべての団塊世代が75歳以上となる2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築が進められていますが、それを実現させるためには、栄養状態や筋力等の生活機能の低下を予防し、地域社会における自助互助システムの構築が喫緊の課題です。日本老年医学会は、高齢者が要介護に陥る過程には、意図しない衰弱や筋力・活動性・認知機能・精神活動の低下した状態を経ることが多く、その状態をフレイルと呼ぶことを提唱しています。フレイルは、生理的予備能の低下により起こる生活機能障害、要介護や死亡に陥りやすく、さらに、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題や、閉じこもりや経済的困窮などの社会的孤立を誘発するため、健康長寿を妨げる大きな要因です。
本学は、フレイルの予防には口腔機能の維持・向上が最も重要な因子であると考えています。歯の喪失に伴う口腔環境の悪化や口腔機能低下が食事摂取量の減少を招き、その結果、栄養不良、体重減少や全身の筋力低下、身体活動量の低下につながるため、口腔機能低下は、要介護状態に陥る「引き金」であるという仮説を立てました。以上のことから口腔機能の向上をはじめとする4つの研究テーマを設定しました。

3)本学の将来ビジョン

健康寿命の延伸のための取組みを地域社会に展開する大学をめざし、『イキイキ長寿を口から支える短期大学』をブランドイメージに設定しました。さらに、健康寿命の延伸につながる多面的研究として、A.口腔機能管理に関する研究、B.栄養改善に関する研究、C.運動機能の維持向上に関する研究、D.地域住民主体の社会資源の創出に関する研究を推進し、研究成果を地域社会や学術界へ還元することを本学の将来ビジョンとしました。これらの役割・機能を活かすことで、超高齢社会及び地域包括ケア時代に対応でき、地域社会の健康長寿の延伸につながる先進的な取組みの発展・深化に寄与していきたいと考えています。

期待される研究成果

本事業により期待される具体的な研究テーマと成果は以下の通りです。

A.口腔機能管理

1)認知機能

a.研究テーマ「認知機能を向上させる口腔ケア手技の開発」(成果:認知機能向上口腔ケア手技を開発する)
b.研究テーマ「口腔関連刺激課題による認知機能向上プログラムの開発」(成果:認知機能向上口腔ケアプログラムを開発する)

2)口臭抑制

a.研究テーマ「口臭発現の構造分析と口臭予防法の確立」(成果:口臭発現の要因分析結果による口臭予防法を確立する)
b.研究テーマ「多機能タンパクの抗菌作用」(成果:口腔環境改善のための多機能タンパクを開発する)

3)口腔咽頭乾燥

a.研究テーマ「安全性の高い保湿剤の開発」(成果:安全性の高い保湿剤を開発する)
b.研究テーマ「咽頭部の保湿作用の高いとろみ剤の開発」(成果:とろみ剤の最適粘度と保湿度を特定する)

4)咬合力の保持

研究テーマ「歯槽骨の骨質維持の機序」(成果:ケモカインによる歯槽骨骨質維持機序を解明する)

B.栄養改善

研究テーマ「運動器症候群予防のための在宅でできる料理の多様化」(成果:在宅でできる料理メニューを開発する)

C.運動機能の維持向上

1)身体活動量

研究テーマ「運動器症候群予防のための生活活動量向上メニューの開発」(成果:生活活動量向上メニューを開発する)

2)口腔運動機能

a.研究テーマ「顔面骨格形態から口腔機能低下の予測」(成果:顔面骨格形態から口腔機能低下の予測法を開発する)
b.研究テーマ「口唇閉鎖力向上によるQOL改善」(成果:口唇閉鎖力の向上がQOL改善に与える影響を解明する)

D.社会資源の創出

研究テーマ「地域社会における自助互助システムの構築」(成果:ボランティア人材を育成し、定着度を検証する)

事業案内リーフレット

ブランディングリーフレット_一般向け.pdf
ブランディングリーフレット_専門職向け.pdf